令和6年 処遇改善加算の概要と対応方法について

令和6年から始まる「福祉・介護職員等処遇改善加算」について、まとめてみました。
youtube動画もありますので、ぜひご覧ください。

令和6年から始まる、新しい処遇改善加算について

令和6年から始まる、新しい処遇改善加算について、お話していきたいと思います。

主な変更点① 一本化

今まで、処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算の3つに分かれていたものが、1つの処遇改善加算へと変更になります。

新しい処遇改善加算は、4段階に分かれています。

処遇改善加算の4がベースとなり、各要件を満たすことによって、3段階ランクアップできる、という形です。

ベースとなる処遇改善加算の4は、職場環境の改善と、賃金体系等の整備、研修の実地等により取得できます。

就業規則や賃金規程を、新しい処遇改善加算に合わせた内容で作成、または、今あるものを修正することと、研修等の記録を残しておくことで取得できる、比較的ハードルの低い内容となっています。

ただし、処遇改善加算4として受け取った金額の2分の1以上を、基本給や手当などの形で、毎月職員に支払わなければなりません。

処遇改善加算3は、4の要件を満たした上で、資格や勤続年数などに応じて昇給する仕組みを整備することで取得できます。

こちらも、就業規則や賃金規程の作成、修正が必要になります。

処遇改善加算2は、3の要件を満たした上で、賃金年額440万円以上の職員が1人以上いることと、職場環境の更なる改善・見える化を行うことで取得できます。

処遇改善加算1は、2の要件を満たした上で、経験技能のある福祉、介護職員を事業所内で一定割合以上配置することで、取得できます。

主な変更点② 配分ルールの撤廃

今までの特定処遇改善加算は、職員の経験や職種などによって、グループ分けをし、賃金改善額の配分ルールを作らなければなりませんでした。

新しい処遇改善加算では、この配分ルールがなくなります。

経験や技能のある福祉介護職員への配分を手厚くするのが基本となりますが、それ以外の職員へも、事業所の判断で、柔軟に配分することができるようになります。

加算率

新しい処遇改善加算の加算率は、こちらの表のとおりです。

なお、1年間は経過措置として、今の処遇改善加算の加算率が維持されるようです。

詳しい内容は、詳細が分かり次第、お知らせしたいと思います。

今後の対応について

新しい処遇改善加算を取得するにあたり、現在、処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算の3つを取得している事業所さんは、新しい配分方法などを検討し、就業規則などを修正していただければ、新しい処遇改善加算の2までは対応可能だと思います。

ベースアップ等支援加算を取得している事業所さんも、新しい処遇改善加算への移行は、比較的対応しやすいと思います。

今までベースアップ等支援加算を取得していなかった事業所さんが、新しい処遇改善加算を取得する場合は、ベースアップ等支援加算相当分の、3分の2以上を、月額賃金の改善として配分する必要があります。

これは、今までベースアップ等支援加算を取得していた事業所との公平性を保つためだと思いますが、少しややこしいですね。

なので、少しでも経営者の方の事務負担を軽減させる方法を考えてみました。

ベースアップ等支援加算も、処遇改善加算4も、一部を月額賃金で支払うことが求められています。

しかし、利用者さんの変動がある場合、毎月の入金額が不安定になるため、支給額を予想するのは難しいと思います。

そのような事業所さんは、思い切って、処遇改善加算4と同額か、それ以上の額を、手当などの形で月額賃金に上乗せする方法はいかがでしょうか?

新しい処遇改善加算の仕組み上、おそらく処遇改善加算2までは取りやすいのではないかと思います。

処遇改善加算2を取得するためには、賃金年額440万円以上の職員がいる必要がありますが、小規模事業所で加算額全体が少額であるなど、正当な理由があれば免除されるのではないか、と、予想しています。

予想が当たれば、処遇改善加算2までは、小規模事業所でも取得可能です。

その場合、例えば、処遇改善加算3と4の全額を、月額で支給し、処遇改善加算2を、賞与や一時金で支払う、という計画が考えられます。

処遇改善加算4の2分の1以上とか、ベースアップ等支援加算相当分の3分の2以上とか、月額賃金の細かい計算は苦労しますし、ギリギリを攻めると返礼のリスクがあります。

それよりも、ある程度の変動に対応できる賃金体系を作っておいた方が、運営が安定しますし、安全かつバランス良く賃金を支給できるのではないかと思います。

ただ、これはあくまでも一例ですので、みなさんの事業所の状況に合わせて、良く検討してみてください。

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